国際教育のための学修歴証明書デジタル化

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実証実験参加2大学でデジタル証明書を発行

RECSIEでは、学修歴証明書のデジタル化を促進するための実証実験をおこなってきましたが、実証実験に参加いただいた2大学においてシステム実装が完了し、以下のとおりプレスリリースが発表されましたので、お知らせいたします。

国際基督教大学(ICU)におけるプレスリリース(2021年6月7日)
https://www.icu.ac.jp/about/public/press/docs/ICUPressRelease_210607.pdf

芝浦工業大学(SIT)からのプレスリリース(2021年10月21日)
https://www.shibaura-it.ac.jp/news/nid00001898.html

目次

  1. 目的
  2. 学修歴証明書デジタル化のメリット
  3. 実証実験実施要項
  4. 実証実験ユーザー利用機能
  5. お問合せ

目的

日本は、2017年12月に、学生及び学者の移動を容易にし、アジア太平洋地域における高等教育の質を改善することを目的とした「高等教育の資格の承認に関するアジア太平洋地域規約(東京規約)」を締結し、2018年2月に本規約は発効しました。

東京規約においておいては、各締約国は「透明性、一貫性、信頼性及び公平性を有し、かつ、差別的でない」資格の評定と承認を「合理的な期間内に」行うことが求められています。デジタル化された学修歴証明書は、学歴詐称リスクを軽減し、信頼性が高く、一貫性・透明性・公平性を備えた学修歴の迅速なやり取りを可能にするため、東京規約や欧州の同様の地域条約の締結国を含め、世界42か国以上で実装化されています。

また、「世界市民のための電子学生データ・エコシステム」を目的とし、30か国が加盟するフローニンゲン宣言ネットワークなどの国際機関も設立され、世界的に学修歴証明書のネットワークを相互接続するなどの国際協調も活発化しています。

しかしながら、日本は世界で進む学修歴証明書のデジタル化の動向からは大きく遅れをとり、学生・卒業生がスマートフォンやPCで取得し共有できる電子学修歴証明書の実装は進んでいない現状にあります。

2019年度 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))「国境を越える人材と資格・学歴認証の将来像」(課題番号 19KK0061)(代表者:芦沢真五)は、日本のこうした現状を早急に打ち破り、学生・卒業生の国際的活躍や学生の国際移動性に資するため、フローニンゲン宣言ネットワーク加盟機関である一般社団法人 国際教育研究コンソーシアム(RECSIE)などの協力のもと、学修歴証明書デジタル化の実証実験を日本で実施することとなりました。


学習歴証明書デジタル化のメリット

事務効率化・生産性向上

現在、紙の証明書の郵送などにより発行・提出が行われている学修歴証明書は、その発行・出願事務の効率性向上を主な目的のひとつとして、デジタル化が推進されてきています。
電子証明書を2018年に導入したオーストラリアの大学では、電子証明書導入前と導入後では、関連事務コストが50%削減されたとの調査結果も示されています。
本実証実験で採用する学修歴デジタル証明書は、フローニンゲン宣言ネットワークで実績と安全性が証明されたプラットフォームを活用するため、実運用段階に移行した場合でも、初期費用は軽微に抑えられ、事務及び情報システムのトータルコストとしても費用削減が期待されます。

学修歴の携帯性・利便性向上

本実証実験で採用する学修歴デジタル証明書は、学生や卒業生が世界中どこでも自身のスマートフォンやPCで学修歴証明書を自在に取得し、採用企業やSNSで送付・共有でき、フローニンゲン宣言ネットワークの理念でもある「学修歴データの携帯性」を実現しています。
この利便性により、国内外の遠隔地での在学生の就職活動、世界各地・全国各地で活躍する卒業生の海外赴任・転職活動を強力に支援します。

学生・卒業生・留学生の国際的活躍支援

学修歴証明書は世界42ヵ国以上でデジタル化されており(P4参照)、特に中国では2019年から紙の学修歴証明書は廃止され、アメリカでは85%の大学が「電子化され、発行者から直送され(または第三者サービスを経由し)た文書」を受理するなど、学修歴証明書デジタル化はすでに世界標準となっています。
ここで立ち遅れた日本の高等教育機関にとっては、留学生の受け入れと送り出し、学生・卒業生の就転職活動支援にとって、学修歴証明書のデジタル化は喫緊の課題となっています。

生涯教育推進

世界では「ウーバー大学化」とも称されるような高等教育のビジネスモデルの変革が問題提起されており、時間的にも物理的にも分散化・多様化した高等教育の将来像が模索されています。そのための生涯教育のプラットフォーム開発も欧州委員会やオーストラリア政府などによって推進されています。
本実証実験で採用する学修歴デジタル証明書プラットフォームは、マイクロ・クルデンシャルやデジタルCV(学修歴・職務経歴書)など、時間的にも地理的にも分散化・多様化した新たな高等教育モデルを支援する機能やブロックチェーンとの互換性が実装されており、長期的に高等教育の未来を支えていきます。


実証実験実施要項

項目 実施要領
運営監修 2019年度 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))「国境を越える人材と資格・学歴認証の将来像」(課題番号 19KK0061)代表者:芦沢真五 東洋大学国際学部教授
運営機関 一般社団法人 国際教育研究コンソーシアム  (略称:RECSIE、フローニンゲン宣言ネットワーク加盟機関)
運営協力 Digitary (フローニンゲン宣言ネットワーク加盟機関、本社:アイルランド・ダブリン)
参加資格 日本の高等教育機関(全学的参加のほか、学部・学科単位での参加も可)、各種資格認定機関

実証実験ユーザー利用機能

学生・卒業生・留学生の国際的活躍支援

就転職 在学生・卒業生・留学生の国内・海外での就転職時の応募企業への証明書提出
学修 在校生・卒業生・留学生の国内・海外他高等教育機関への証明書提出
相互接続海外学修歴証明書プラットフォーム:CHESICC(中国全国高等学校学生信息咨询与就业指导中心)、My eQuals(オーストラリア・ニュージーランド)、CollegeNet(米国)、Ed Exchange(米国)、イギリス・インド・アイルランドの大学など

学修歴の携帯性・利便性向上

就転職 在学生・卒業生・留学生の国内・海外での就転職時の応募企業への証明書提出
学修 在校生・卒業生・留学生の国内・海外他高等教育機関への証明書提出

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